シリコンバレーそのものを体現しているという触れ込みのPlug And Play Tech Center(Silicon Valley in the box)。技術系スタートアップの支援、投資家とのネットワークなど提供している場所で、Peer 150 Cyber Attic[1] という名のイベントに参加した。
目当ては、悪名高い(失礼)John McAfeeのキーノート。もちろん名前の通り、McAfeeを立ち上げリーディングカンパニーにした人物だが、薬物、殺人容疑など、何本も映画のネタになりそうな歴史を持っている [2]。
現在はビットコイン関連で注目を集めている。
---んで当日、冒頭のキーノートはキャンセル、そして夕方にSkypeで参加するというアナウンスがあり、そのトピックの内容は、TBD(つまり未定)。非常に、彼らしい。きっとベッドから起きられなかったんだろうと、こちらではそのネタで盛り上がった。
さて、イベントの順序は変わり、冒頭はこのイベントのスポンサーであるCylanceのMalcolm Harkinsによるキーノートとなった。彼はもとIntel、約四半世紀に渡りセキュリティリーダーとして活躍している。
ーVelocity、つまりスピードとその方向性のコントロールを併せ持った思考が私達には必要である。と彼は話す。急速に成長していくオフェンス、ディフェンス技術、その速度は大事だが、どこに向けて進んでいくか、がより鍵であり、それをVelocityという言葉で話していた。
その「方向性」のなかで、見過ごしては行けないのはプライバシー。これは何かを設計していく段階から考慮する必要があり、あとから考えるのではダメだ、と。ー
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このあと、会場を分けて個別のセッション。SentinelOneによるトークもあり、サイバー保険について話をしていた。数値で示されて興味深かったのは、
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現在セキュリティ業界規模は810億ドル市場、そのYoY成長は7.9%に及ぶが、その結果、、、誰であっても、何らかの形で攻撃を受けているという残念なものになっている。攻撃を避けていくのは難しそうだ。
この市場で、企業が、新しいセキュリティ製品や取り組みに費やすカネは約60億ドルと言われている。それに対し、サイバー保険に関係する費用は約32億ドル。つまり、新しくソリューションを導入するより、保険を買う方が安い。ということである。
サイバー保険をソリューションの一つとしてパッケージングすることが、これからの世代に求められるのだ。
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という点だった。
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John McAfeeは約束を守り、Skypeで登場した。香港からの帰国が伸びたために参加が叶わなかったと。この滞在、中国政府によるBitcoin関係の規制があるとかないとか、そのあたりが関係しているのだろう。
彼のトークはビデオにて。IoTの広まりに関してセキュリティとの関係を論じ、アンチウィルスだけでは攻撃者への対策は不十分であり、何か新しいアプローチで進んでいく必要がある、と彼自身が発言していることに、このあとの時代の趨勢を想像する。
偶然にも、彼がICOの規制に関して話を始めたとき、彼はフリーズした。誰か盗聴したのかもしれない。以下ビデオの終盤を御覧いただきたい。
同日、Plug And PlayにてCybersecurityプログラムの開始がアナウンスされた。この領域でチャレンジしたいスタートアップが参加し、3ヶ月掛けてサービスを仕上げていくというもの。特にIoT分野は、徐々にEnterprise向けに入ってきているとはいえ、十分なユースケースがなくまだまだである。このあたりを推し進める役になれば、また違った輝き方ができるかもしれないね。